概要
Overview平成19(2007)年10月1日から、東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻・社会基盤学専攻・建築学専攻の3専攻を横断する社会人向け教育プログラム「都市持続再生学コース」(東大まちづくり大学院)がスタートしました。
本コースは、都市計画・都市デザイン・都市地域環境管理・都市マネジメント・その他「都市づくり・まちづくり」に関する統合的・実践的・国際的な知識と技術を修得した高度専門職能人の養成を行うことを目的とする社会人向け修士課程(2年制)です。
設立の趣旨
Purpose
- 本コースは、都市づくり、まちづくり等の実務経験者(留学生を含む)に対する高度かつ総合的な教育を行い、日本やアジアを含む世界の都市づくり・まちづくりの現場において持続的な都市の形成・再生を実践・主導する高度専門職能人を養成することを目的として設立される社会人大学院です。
- 都市空間と都市政策に関する広範な理解を基礎に、優れた企画構想力と調整能力により、公共・民間・市民等の多数の関係主体と専門職能を統括調整し、持続可能な都市空間の構想、都市経営戦略の企画、協働的まちづくりの推進、美しい街並景観の創出など、都市再生に関わる都市・地域経営企画の立案とその推進において中心的役割を担う専門実務者の育成を目指します。
- 併せて、American Institute of Certified Planners (American Planning Association) (アメリカ)、Royal Town Planning Institute (英国)、Planning Institute of Australia(オーストラリア)、Canadian Institute of Planners (カナダ)等のプランナーを先例に、専門家の社会的プレゼンス定着を目指します。
- 都市空間の形成に係わる工学的諸分野のみならず、都市社会のマネジメントや都市文化の振興に係わる人文社会科学諸分野を含め、都市の持続再生に関わる諸領域の知識と手法を統合的に教育します。 さらに、実践的なコースであることから、国の関係省庁・機関(国土交通省や都市再生機構等)、企業、自治体、まちづくりNPO等学外の関連団体と協力して実務面の教育および研究を充実させ、実社会(産・官・市民)と大学との交流を促進します。
教育施設
Facility
東京大学本郷キャンパスを教育拠点施設としています。都市持続再生学コース院生用の院生室を整備しています。
教育組織
Organization
- 東京大学大学院工学系研究科の都市工学専攻、社会基盤学専攻、建築学専攻による協力体制のもと横断的な教育プログラムを展開します。
- 都市工学専攻、社会基盤学専攻、建築学専攻の3専攻は、21世紀COEプログラム「都市空間の持続再生学の創出」を通じて、土木工学、建築学、都市工学の3つの分野の学術上の知見と手法を再編・統合・発展させ、経済社会の構造変化がますます進む21世紀成熟型社会の生活基盤の強化と持続的な発展に貢献する新たな学問分野を開拓してきました。
本コースは、こうした3専攻の研究協力の結果によって得られた知見をベースに新たな社会人教育を行うもので、学生の教育にあたっても3専攻の協力によって進められるものです。
※なお、学生の所属先は都市工学専攻となります。
教育プログラムの特色
Characteristics
現に都市づくり・まちづくり関連分野の職に就いている社会人学生に対し、最新の体系的知識・技術を修得させるとともに、ケースメソッドおよびプロジェクト演習を通じ論理的展開能力や企画構想力・調整力を養成し、体系的な知識に裏付けられた高度な企画構想調整能力を有する高度な専門職能人を育成します。現に実務に携わる社会人が在職のまま修学できるよう、時間割等にも配慮します。
- 充実したコースワーク/最高水準の講師陣
従来の研究重視型大学院教育とは異なり、実践に必要となる広範な理論、知識、技法・技術を獲得するため、文理融合型の充実したコース ワークを用意しています。最先端の研究を行っている3専攻(都市工学・建築学、社会基盤学)の教員に、最先端の事例や制度、技法に詳しい省庁担当者や自治体担当者、開発実務家、まちづくり専門家、社会科学系研究者等を講師陣に加え、最高水準の教育を行います。 - 現代的都市再生課題に焦点をあてた段階的な教育プログラム
美しい街並みづくり、少子高齢化時代のまちづくり、持続可能な環境都市づくり、協働のまちづくり、といった現代的な都市再生課題を講義の主題に据え、これら課題に取り組む際に実際に役立つ理論、知識、技法・技術を身につけ、必要とされる企画構想力・調整能力を養います。
また、異なる講義形式を用いた段階的な教育プログラムにより、効率的に受講生の能力を高めます。広範にわたる基礎知識を座学型講義で身につけ、都市再生実務における理論や技法・技術の応用・活用方法についてはケースメソッドで理解を深めます。そして、実務実践型講義では身につけた知識を生かすために必要となる構想・調整能力を養います。