熱帯島嶼地域における持続可能な流域圏プランニング

あなたの研究内容を教えてください

私の研究テーマは、「熱帯島嶼地域における持続可能な流域圏プランニング」です。熱帯雨林や珊瑚礁が美しいミクロネシアのパラオ共和国がフィールドです。パラオでは、現在、主に海外資本の開発により、陸・海域の生態系や島民の生活へ影響が出始めています。それに対し私たちが着目したのは、パラオ人集落にみられる流域圏を基盤とした持続的な土地利用システムです。島全域のマクロから集落単位のミクロまで、流域圏のランドスケープの構造と機能を階層的観点から分析しています。地域の自然的・文化的な文脈に沿った持続可能な発展の在り方を示すことが目標です。

いつ、どこで海外調査を行いましたか?

毎年2〜3回、パラオへ現地調査に行っています。短くて2週間、長くて2ヶ月程度滞在します。

あなたの研究で海外調査が必要だった理由を教えて下さい

研究では、現地調査によって得た土地利用や植生などの空間情報をGIS(地理情報システム)化し、衛星画像など既存データと合わせて空間解析を行っています。また、より理解を深めるために、空間の深層にある島民の生活や文化をフィールドで体験的に捉えることも重要だと考えています。

どのような調査を行い、また何を得ることができましたか?

土地利用・植生調査、集落・市街地の実測調査、文化的資源調査などを行い、図面化する作業を行っています。現地では、政府機関、研究機関、NPOと協力体制を築いています。研究が進むにつれ、集落景観の保全やエコツーリズムの開発に関わるようにもなりました。私たちの研究成果が現実の空間へと結びついていくことに、とてもやりがいを感じます。また、海外調査は、日本の都市や農村が置かれている状況を総体化して考える良い機会です。パラオの自然共生型の社会からは、日本の都市や農村に対する示唆が含まれていると考えるようになりました。

熱帯島嶼地域における持続可能な流域圏プランニング