気候変動に適応した
調和型都市圏水利用システムの開発

対象地域 ハノイ都市圏(ホン川流域)および荒川流域圏
期間 平成21年10月から平成27年3月末まで
構成メンバー
(組織)
古米、滝沢、窪田、片山、栗栖(太)、栗栖(聖)、小熊、春日、中谷、酒井など)
カウンターパート:ハノイ土木大学(Hanoi University of Civil Engineering) その他の国内共同研究機関(山梨大学医学工学総合研究部、東洋大学国際地域学部、秋田大学教育文化学部、お茶の水女子大学・大学院人間文化創成科学研究科、金沢大学理工学域、鳥取大学大学院工学研究科など)

気候変動に適応した調和型都市圏水利用システムの開発

プロジェクトの内容

本研究プロジェクトでは、モンスーンアジア圏にあって経済や人口の成長段階が異なる二つの都市圏(ハノイ市、荒川流域圏)を選定し、それぞれに適した水利用戦略を多角的に検討しています。地下水に水供給を依存してきた旧ハノイ市街地では、地下水の保全とともに、表流水に水資源を求める方針が打ち出されました。また、新たにハノイ市圏に組み込まれた近郊地域にも深刻な水供給問題が顕在化しています。そこで、河川水やダム水などの「表流水」と、都市に存在する貴重なユビキタス型水資源である「地下水」、「雨水」、「再生水」の多面的な特性(水質、水量、それらの変動性、処理性)をわかりやすく整理して、水の価値、水利用への受容性、さらにはコストや環境パフォーマンスを考慮しながら、限りある水資源を適正に配置する水利用システムをデザインすることを目指しています。

気候変動に適応した調和型都市圏水利用システムの開発

海外でのプロジェクトを進める上で大変なこと

ベトナムにおける調査研究では、河川、池沼や地下水の水質調査を通じた水源の汚染実態、都市部と郊外地域の家庭における水需要の状況、水利用に対する意識構造、コミュニティーでの水管理について調べることが必要です。しっかりと地に足をつけて、自分の目で物を捉えながらの草の根的な作業です。まさに、気力・体力勝負です。また、必ずしも、英語でコミュニケーションが取れないこともあることから、ベトナム留学生や研究員、さらにはハノイ土木大学と連携しながら、研究調査を進めています。しかし、工夫して大変なことを解決しながら、研究することは最も楽しいことの一つです。

気候変動に適応した調和型都市圏水利用システムの開発

気候変動に適応した調和型都市圏水利用システムの開発

プロジェクトの成果として期待されること

ハノイ都市圏は、急速な経済活動の発展に伴い水資源不足が懸念されていることから、将来の気候変動に適応可能な新たな都市圏水利用システムや新たな水資源ビジョンの提示に貢献したいと考えています。ハノイ地域の地下水や表流水の糞便汚染など水質汚濁の実態や伝統的な水利用と近代水道システムの得失を踏まえて、表流水と地下水利用のバランスを考慮した水資源管理の在り方、さらには雨水や再生水利用も含めた持続可能な形での水利用システムをデザインすることが期待される成果です。また、地下水水源に依存しているハノイと、上流のダム群による水資源を確保している荒川流域圏における将来の水利用システムの在り方の比較研究も魅力的な成果だと考えられます。